CANONメディカル主催 全国医療機関画像コンテスト The Best Image 2010
選考部門 1.5テスラMR部門 11部門
(等潤病院の応募部門 心大血管部門へエントリー)
通常の撮影しにくい血管壁の情報が明瞭に描出した画像として
高く評価していただきました。
使用装置
EXCELART Vantage Powered by Atlas(1.5テスラ)
検査目的
高安動脈炎のフォローアップ
テクニカルコメント
はじめECG同期でBlack Blood像を得ようとしたが、信号低下が不十分だったためFlow Spoiled FBI法に用いられるFASE3D法にて非同期のBlack Blood撮像を行った。
本来非造影MRAとしてWhite BloodとするものをBlack Bloodとするために、dephaseパルスを+35にフロップ角を50°に設定した。
またT2強調像では血管壁とのコントラストをつけるためにやや低いTEとした。
クリニカルコメント
高安動脈炎は大動脈やその分岐血管の不整や狭窄等の所見を認める疾患である。
血管壁を含めた大動脈の情報を得るために、FASE3D法による非同期のBlack Blood像と、3DSSFP法によるWhite Blood像を撮影した。
鎖骨下動脈等の情報を得るためFlow Spoiled FBI法にて非造影MRAを撮影した。
画像コメント
a: 非同期の斜位矢状断T1強調Black Blood像。血管の信号は均一に低下しており、大動脈の不整や狭窄も確認できる。SSFP法では分かりにくい大動脈壁の情報も得られる。
b: 非同期の斜位矢状断T2強調Black Blood像。血管の信号は均一に低下しており、大動脈の不整や狭窄も確認できる。
c: ECG同期の斜位矢状断3D SSFP法像。血管内腔はWhite Bloodとして明瞭に描出されており、大動脈の不整や狭窄が確認できる。
d: Flow Spoiled FBI法による鎖骨下動脈MRA。血管に拡張や狭窄が見られる。左は起始部から細くなっている。
審査員コメント
高安病は血管壁の描出が重要になる疾患であるが、Dephaseパルスを上手く使ったBlack Blood法を駆使してT1強調像、T2強調像ともに長軸方向の血管壁を確実に描出している。
診断しやすく臨床的価値の高い画像として評価できる。